突発性難聴……ある日突然、明確な理由もなく発症する難聴のこと。

日本では年間約35,000人が治療を受けているとされています。
わりとメジャーな病気ではありますが、そんなに身近なわけでもないので、
今回突発性難聴になってしまった体験談をシェアしたいと思います。

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突発性難聴の発症

突発性と名前が付けられているように、突発性難聴は本当に突然やってきます。
大抵の場合が、ある朝目が覚めたら、片方の耳がおかしかったというもの。

主治医によると、突発性難聴患者のほとんどが難聴になったときのことを明確に自覚しているそうです。

私の場合も目が覚めた直後に、
右耳に膜が張ったような違和感と聞こえにくさを自覚しました。

ただ、ちょうどひどい風邪をひいていたので、
最初は鼻水からくる症状だと思っていました。
痛みや熱を伴わない中耳炎もあるらしいので。

仕事柄、耳が聞こえにくいのはかなり困ります。
初日二日目はすぐに治るだろうと思って放置していましたが、改善せず。

滲出性中耳炎であれば、鼓膜を切開すれば比較的早く難聴が治まるそうなので、
それを期待して3日後に耳鼻科に相談に行きました。

突発性難聴の診断

耳鼻科では、聴覚検査をしました。
馴染みのあるヘッドフォンの検査と、耳の後ろの骨に機械を当てる検査です。
骨に直接音を響かせる検査は初めてでした。
反対側の耳にはヘッドフォンから雑音を流していました。

検査の音は割としっかり聞こえていた気がしたので、
そんなに悪くなさそうだなと楽観して医師の前に戻りました。

けれど検査結果を眺めて難しそうな顔をする先生に、ちょっと不安になります。

「風邪のせいではなさそうですね。突発性難聴って知ってますか?」

聞いたことある!!
先生の話し方が穏やかなので、なんとなく焦るタイミングを失いました。

「どうも神経のほうから聞こえていないみたいです」

先ほどの検査結果を見せてもらいました。
鼓膜で聞く聴覚検査(気導検査)と、骨に機械を当てる聴覚検査(骨導検査)で、
中耳炎にしては後者の検査結果にも異常が出ているとのこと。

「まずはお薬を出します。明日また来ることができますか?」

ということで、まずはステロイド剤であるプレドニンを飲んで様子を見ることになりました。
その日すぐに6錠と、翌日の朝食後に6錠です。


若干改善したらしい翌日

翌朝薬を飲んでもう一度耳鼻科に行きました。
昨日と同じ検査を行います。
すると、すこーしだけ数値が改善していました。

今思えば、仕事の後の疲れた状態と朝一番の元気な状態との誤差程度なのですが、
少しも改善していないよりはホッとします。

ということで、一週間ステロイド剤を服用して様子を見ることになりました。
ステロイド剤は急に服用をやめるとむくみなどの副作用がひどいので、
徐々に数量を減らして、一週間後にゼロになる計算で飲みます。


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突発性難聴発症直後よりも多彩な違和感があった一週間

突発性難聴と判明したものの、すんなりとは改善していきませんでした。

左側で音がしていると、右はほとんど聞こえません。
誰かがしゃべっているのはわかるけれど、内容は聞き取れません。
かと思いきや、聞こえる左側の耳に音が集中してキャパをオーバーしてしまいそうになります。

そんな状態でも日常生活を送り仕事をこなさなければならないので、
いつもの三倍も四倍も体力と気力を消耗します。
一緒に仕事をする人にも迷惑をかけてしまうしで、
仕事の効率は大幅にダウンしてしまいました。

そして耳には気圧が低い場所に立ったような圧迫感と、
自分の声が耳の中で大きく響くような感覚を繰り返し味わうことにもなりました。

あんまりにも煩わしいので、ずっと一人でいたい衝動とも闘うことになります。

薬はきちんと毎朝飲んでいても、
実感として症状が改善されている雰囲気はありません。
朝一はなんとなく前日より良い感じがするのに、
時間が経つにつれてやっぱりあんまり変わってなかったと思う日々でした。

結果的に、ほとんど良くなったという自覚のないまま再度病院に行く日になりました。


再検査の結果とその後

一週間後、再検査をしてもらいに病院に行ってきました。

再検査の結果、気導聴覚検査はあまり変化はありませんでしたが、
骨導聴覚検査では、左右差はほとんどなくなっていました。

「これはほとんど完治と言って差し支えないでしょう」
とのこと。

気導聴覚検査に変化があまりないので、実感としてはまだまだだけれど、
骨導聴覚検査の結果のほうが早く成果が出るため、
聞こえのほうもそれに追いつくようにして間もなく良くなるだろうということでした。

不安であれば薬を変えて処方することもできるらしいのですが、
ほぼほぼ完治という言葉を信じて、様子を見ることに。

その後難聴はだいぶ改善してきました。
が、耳の圧迫感が消えないままです。
もう少し様子を見て、この圧迫感がなくならないようであれば再度病院に行ってみたいと思います。


本当は怖い突発性難聴

さて、私の場合は発症から10日程度で「ほぼ完治」のお墨付きをいただきましたが、
実は突発性難聴はとっても恐ろしい病気なのです。

なんと、突発性難聴は完治3割、難聴が残るのが3割、
そして治らない可能性も3割といわれています。(※厳密には3分の1ずつの割合)

しかも発症して約1カ月で聴力が固定してしまうので、
早めに治療しないと聴力が改善しないまま、元通りにはならなくなってしまいます。

できれば発症後48時間以内、遅くとも7日以内に治療を開始することが重要です。
ある日突然耳に違和感を感じたら、「そのうち治るだろう」なんて放置は厳禁。
できるだけ早く耳鼻科で診てもらいましょう。

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