自分でお店を開くというのは、理想の働き方の一つですよね。
なかでも喫茶店やカフェは、比較的気軽に始めやすいという印象です。

そこで今回は、実際にわたしがカフェを開店させたとき必要となった費用を参考に、
新規で喫茶店やカフェをオープンさせるときに必要な費用を数回に分けて系統別にご紹介します。

今回は店舗を借りるときに必要な費用についてみていきましょう。

物件探しのコツと入居にかかる費用

物件探しのコツ

立地

新規店舗を開店するうえで、
一番といっても過言ではないほど重要なものが立地です。

人がいなければ商売になりません。
人里離れた場所での運営は、多額の広告費がかかるうえに、
リピーターの頻繁な来店が期待できないため、大変難しいものとなります。

通行人の多い道や利用者の多いターミナル、交通量の多い道路など、
人の目に多く触れる環境にある店舗を選びましょう。

店舗を探すときは、その土地の特色に応じて
徒歩・電車やバスなどの公共交通機関、車などで実際に自分の足で探すのが確実です。

家賃

物件を探すとき、立地の次に気を付けたいのが、家賃の表記です。

家賃の表記は税込表記が一般的となった現在でも、
税抜き価格で表記されている場合が多いのが現状です。

家賃は金額が大きいので、消費税の額も大きくなります。
消費税込みの金額で経営をシミュレーションするか否かは経営の見通しに大きく影響します。

物件を探すときは家賃の表記を確認して、税込みで妥当かどうかを判断しましょう。


店舗を借りるときに必要な費用

礼金:任意
敷金:月額賃料(税抜)の6~8ヶ月分
仲介手数料:月額賃料(税込)0.5ヶ月~1ヶ月分
全保連初回保証委託料:月額賃料(税込)の80%
損害保険料:入居者が加入
各種証明書発行手数料:900~1,800円

礼金とは

入居者(テナント)が入居時にオーナー(持ち主)に支払うお礼で、
賃貸借契約が終了しても返金されません。

現在では礼金なしで借りられる物件も増えています。


勘定科目
20万円未満「地代家賃」
20万円以上 支払時は資産(「差入保証金」や「長期前払費用」)とし、決算時に費用処理

敷金とは

入居者(テナント)が入居時にオーナーに預けておく保証金です。

賃貸借契約が終了したら、
未払い家賃や入居者が負担すべき修繕費などを差し引いて返金されます。
※一般的に入居者は、退去時に原状回復義務があります。

勘定科目:資産の部「差入保証金」または「差入敷金」


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仲介手数料とは

仲介手数料とは、不動産会社に支払うお金です。

仲介手数料は法律により月額賃料の1.08ヶ月分以内と決まっていて、
法律の原則としては大家さんと入居者で半々にするのですが、
但書によって入居者に全額負担させることも可能となっているため、
一般的には入居者が月額賃料の一ヶ月分を支払うことが多いです。
※宅地建物取引業法第46条、建設省告示1552号第4

勘定科目:費用「支払手数料」

全保連初回初回保証委託料とは

全保連とは、全保連株式会社という家賃保証会社のことで、
家賃の支払いが滞った場合に保証会社が家賃を立替払いものです。

全保連の介入によりオーナー側には家賃不払いのリスクが軽減され、
入居者は入居しやすいというメリットを得ることができます。

そこで、現在では多くの不動産業者が全保連への加入を入居の条件としています。
全保連初回保証委託料は、店舗・事務所の場合月額賃料の80%となっています。

勘定科目:費用「支払手数料」

損害保険料とは

損害保険料は、建物に火災があった場合などに備えておく保険の保険料です。
物件によっては損害保険への加入が義務となっているものがあります。

義務となっていない場合でも、万が一に備えて火災保険等に加入しておきましょう。

また、最近では店舗総合保険という、火災や水漏れ、盗難、風災などを
トータルサポートしてくれる保険もあります。

オプションで食中毒を出してしまったときのお見舞い金や休業損害の補償、
器物の故障・破損などにも保険が掛けられますので、
保険料は多少高額になりますが、万が一に備えて加入しておくと安心です。

勘定科目:費用「損害保険料」

各種証明書発行手数料とは

賃貸借契約をするときに、いくつか書類を用意する必要があります。
連帯保証人をつける場合がほとんどでしょうから、
書類は入居者と連帯保証人の二人分が必要となります。

一般的には以下の書類の提出が求められます。
・住民票の写し
・印鑑証明書
・所得証明書
・身分証明書(本人のみ)

住民票の写し、印鑑証明書、所得証明書は区役所などで発行してもらえます。
手数料は1通につき300円~です。

印鑑登録をしていない場合は印鑑登録をする必要があります。
印鑑証明書の印鑑(実印)で契約書に押印するためです。

連帯保証人の書類は、連帯保証人が時間的な都合などで取得できない場合は
委任状を用意することで入居者が代理取得することができます。

勘定科目:「租税公課」


まとめ

規模にもよりますが、店舗を借りる時点で100万円を超える資金が必要になります。
意外と忘れてしまいがちな仲介手数料などもしっかりと勘定に入れて、
事業計画を立てていきましょう。


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