「神宿る島」として今も信仰が続く島、福岡県宗像(むなかた)市の沖ノ島が
2017年7月に世界遺産に登録される予定です。
沖ノ島とは
神宿る島・沖ノ島
九州本土から約60kmの玄海灘に浮かぶ孤島です。
周囲は約4kmで、港以外はすべてが中津宮の境内で、
島は今でも女人禁制とされています。
上陸は限られた人のみに許され、
普段はたった一人の宮司によって島が守られています。
神社 :中津宮
神さま:宗像三女神
ご神体:島全体
海の正倉院・沖ノ島
戦後の調査により4世紀後半から10世紀初頭のヤマト王権による祭祀遺跡が確認されています。
出土品は鏡や玉類、武器、馬具、装身具など8万点に及び、
それらはすべてが国宝に指定されています。
朝鮮半島製の金の指輪や中国製の金銅製竜頭、ペルシアのカットグラス碗など
豊かな国際色から「海の正倉院」とも呼ばれていれています。
これらの出土品は、現在九州本土の宗像大社・神宝館に所蔵されています。
沖ノ島を遥拝する
一般開放されていない沖ノ島を、
大島にある宗像大社沖津宮遥拝所から遥拝することができます。
宗像大社中津宮遥拝所
アクセス:宗像大社から西鉄バスで神湊(こうのみなと)波止場まで約10分。
神湊港渡船ターミナルから大島港渡船ターミナルまで20分程度。
大島港渡船ターミナルから徒歩30分程度。
沖ノ島の決まり事
沖ノ島には以下の決まりごとがあります。
1.女人禁制(女性の立ち入りが禁止されている)
2.お言わず様(島の中での出来事は口外してはいけない)
3.禊(上陸前に全裸で海に入り穢れを払う)
4.一木一草一石なりとも持ち出してはいけない
沖ノ島は一般の人が立ち入りできないからこそ、
重要な文化財が残されていたり、古いしきたりが守られているため、
宗像大社によると世界遺産に登録されても一般公開はしない予定だということです。
年に一度の参拝日
一般開放されていない沖ノ島ですが、
実は年に一度だけ、一般の人が上陸できる日があります。
それが5月27日の参拝日です。
ただし上陸できるのは大変な倍率の抽選によって選ばれた200名の男性のみです。
女性は参拝日であっても上陸することはできません。
女人禁制の理由
諸説あります。
その一説が、沖ノ島に祀られている神さまが
田心姫神(たごりひめのかみ)という女神だからという理由です。
宗像大社に女人禁制の理由を尋ねると上記のような答えが返ってきます。
また一説には、卑弥呼(神)の遺伝子を守るために
ヤタガラスによって女人禁制にされたと言われています。
沖ノ島に女性が上陸すると、島のエネルギーを受けて、
神の遺伝子を持つ子を懐妊してしまうのだとか。
それによって神の遺伝子を持つ人間が増えてしまうことを忌避したのですね。
かつての沖縄の斎場御嶽のように女性しか立ち入ることのできない場所もあるので、
女人禁制の場所があっても仕方がないのかもしれませんね。
宗像大社沖津宮(沖ノ島)の世界遺産登録は2017年7月の予定です。