毎年冬になるとインフルエンザが大流行します。
重症化すると命の危険もあるインフルエンザを予防するための
予防接種について情報をご紹介します。
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インフルエンザ予防接種の効果

予防接種を受けていても、インフルエンザに罹ってしまうことがあります。
逆に、予防接種をしていない年はインフルエンザに罹らなかったなど、
インフルエンザの予防接種の効果に疑問を感じる人もいるようです。

ここでは、インフルエンザの予防接種によって得られる効果をご紹介します。

1.インフルエンザに罹りにくくする

インフルエンザに罹りにくくするとは、インフルエンザウィルスに感染しにくくするという意味です。

インフルエンザウィルスが鼻や口などから体内に侵入し、
細胞に入って増殖することを感染すると言います。

インフルエンザの予防接種に使われるワクチンには、この感染を防ぐ効果があります。
しかしながら、感染を完全に抑える働きはないと厚生省のホームページにも書かれています。

2.インフルエンザの発症を抑える

インフルエンザウィルスの感染は完全には抑えられませんが、
インフルエンザの発症を一定程度抑えることができます。

インフルエンザウィルスに感染すると、数日から一週間程度の潜伏期間を経て、
発熱、のどの痛み、咳などのインフルエンザの症状が起こります。
これをインフルエンザの発症と呼びます。

ワクチン接種によって、インフルエンザの発症を抑える効果が一定程度期待できます。

3.インフルエンザの重症化を防ぐ

インフルエンザは稀に肺炎や脳症などの重い合併症を併発することがあります。
最悪の場合、死に至ることもあり、これをインフルエンザの重症化と呼びます。

特に高齢者や小さなお子さんは免疫や抗体が少なく、
インフルエンザが重症化する危険性が成人よりも高くなっています。

予防接種のもっとも大きな効果は、インフルエンザの重症化を予防することです。

インフルエンザの予防接種を受ける意義

上記のように、インフルエンザの予防接種には、
完璧ではありませんが、感染を防ぎ、発症を防ぎ、重症化を防ぐ効果があります。

インフルエンザの流行は、人が多い場所で爆発的に起こりますので、
学校や会社など、人が集まる場所に日常的に行く予定がある人は、
あらかじめインフルエンザの予防接種をしておくことで、
感染、発症、重症化を防ぐことができる可能性が高まります。

予防接種を受けたのにインフルエンザに罹ってしまったという場合でも、
本来の症状よりも軽い症状で抑えられているということになりますので、
感染、発症、重症化を防ぎたい場合やお年寄りやお子さんがいる場合は、
あらかじめインフルエンザの予防接種を受けるようにしましょう。


インフルエンザ予防接種の副作用(副反応)

インフルエンザの予防接種を受けたときは、次のような副作用が起こる可能性があります。

様子を見ても良い副反応

・接種部位が腫れる
・接種部位が赤くなる
・接種部位の痛みやかゆみ
・発熱
・頭痛
・寒気
・倦怠感 など

これらは予防接種を受けた人の中で5~20%の確率で発生する、想定しうる正常な反応です。
これらの症状は2~3日、長くとも一週間程度で改善しますので、
改善が認められない場合は医療機関に診てもらいましょう。

ただし、以下のような副反応が起こった場合は、ただちに医療機関に診てもらいましょう。

すぐに医療機関に診てもらうべき副反応

・接種部位を超えた広範囲の腫れや痛み
・嘔吐
・下痢
・血管浮腫
・高熱
・痙攣
・呼吸困難
・じんましん
・意識混濁
・チアノーゼ

これらは接種後30分以内に起こることが多いため、
ワクチン接種後は直後から24時間後くらいまで慎重に様子を観察する必要があります。
特に基礎疾患(ぜんそくや糖尿病などの持病)のある高齢者の方は注意が必要です。

アレルギー反応(アナフィラキシー様症状)はワクチンの卵成分に対して起こることがあります。
強い卵アレルギーの人は、インフルエンザ予防接種の前に医師に相談しましょう。


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インフルエンザ予防接種の時期と回数

インフルエンザ予防接種の時期

インフルエンザのワクチンは、摂取してから2週間ほどで効果が出始めます。

そのため、2回接種が必要な生後6ヶ月から12歳までの子どもは、
まずは10月から11月の初めに一回目を接種し、
4週間後の11月後半から12月初め頃までに2回目を摂取する必要があります。

予防接種が一度で済む13歳以上であれば、12月までに接種しておきましょう。

13歳未満が2回接種する理由

13歳未満の子どもは一般的に病気などの経験が13歳以上に比べて低く、
免疫が少ないという可能性があります。

そのためインフルエンザの予防接種一回だけでは十分な免疫とならず、
少なくとも2週間以上の間隔をあけた2回目の摂取が必要となります。

基礎疾患(慢性腎疾患や糖尿病などの持病)がある人で、
免疫抑制状態にある場合は、医師の判断により2回接種となることがあります。

そして13以上の健康な人も、一回の予防接種で効果があると言われていますが、
より効果を高めるために2回接種することもできます。

ワクチンの効果持続期間

インフルエンザウィルスは抗体価の維持ができず、
比較的早い期間に免疫が消失してしまいます。

具体的にはインフルエンザの予防接種で効果が期待できるのは5ヶ月ほど。

インフルエンザは12月の初旬から3月頃まで何回かに分けて流行しますので、
その期間をカバーできるように毎年11月末までには予防接種しておきたいですね。


インフルエンザ予防接種のワクチンの種類

現在インフルエンザの予防接種に使用されているワクチンは4価ワクチンがメインです。
4価ワクチンとは、日本で流行する季節性インフルエンザ4種に対抗しうるワクチンです。

季節性インフルエンザ

・Aソ連亜型(H1N1亜型)
・A香港型
・B型(山形型)
・B型(ビクトリア系)

4価ワクチン

インフルエンザの予防接種に用いられる4価ワクチンは、
上記のA型2種とB型2種に対応しています。

ただし、同じAソ連亜型でも流行するウィルスの形(流行株)は毎年変わりますので
専門家が予測したその年の流行株(ウィルスの形)に対抗するためのワクチンを選んで混合します。

2017/2018冬シーズン
A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

引用元:NIID国立感染症研究所
URL  http://www.niid.go.jp/niid/ja/

ちなみに2016-2017冬シーズンはこちら

○2016/2017冬シーズン
A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

引用元:NIID国立感染症研究所
URL  http://www.niid.go.jp/niid/ja/

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