前回のお話で個人経営の小規模なカフェでは
厨房機器をそろえるのにいくらかかるのかについて触れました。

前回は完全にすべてを購入した場合にかかった金額をご紹介しています。

今回は厨房機器をリースするとしたらどうなるか、
ついでにレンタルだとどうなるのかについてみていきましょう。

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厨房機器をリースするとは

厨房機器をどのようにそろえるかと考えた時に、
一般的に思い浮かぶのが購入またはリースではないでしょうか。

特に初期費用を抑えたい場合は、リースのほうがよさそうな感じがします。
でもリースには途中解約できないという縛りがあったり、
リース後に厨房機器の扱いがどうなるのかが不明であったりと、
なかなか気軽には手を出せない雰囲気もあります。

そこで、厨房機器をそろえる手段を決める前に、
まずはリースについて知っておきたいですね。

リースとは

リースとは、リース契約を結んで物品を賃借することです。
これだけを聞くとレンタルと変わらないような気がしますが、
レンタルとは根本的な部分が異なります。

リースとレンタルの共通点

まずは共通点についてみていきましょう。

第一の共通点としては、契約の形です。
リースもレンタルも、どちらもお金を払ってモノを借りる賃貸借契約である点で一致しています。

そのため、確定申告をするときの勘定科目も「賃借料」という同じ科目を使います。
※上場企業や大会社等を除く

もう一つの共通点としては、
保守契約を結ぶことで長期的なアフターサービスが受けられるという点です。

電気製品は特に、調子が悪くなることが多々あります。
そんなとき、購入品であればメーカー保証の範囲内でしか
アフターサービスが受けられない場合がほとんどで、
もしメーカー保証期間外に故障などが起こった場合、修理に多額の費用が必要になります。

その点、リースであれば、保守契約(アフターサービス)を結び、
レンタルであれば別のものと交換するという方法で、
安価もしくは無償で、厨房機器の不具合に対応することが可能です。


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リースとレンタルの違い

お金を出して借りるという表面上では同じリースとレンタルですが、
根本的な部分に違いが生じます。

まずリースは、あなたが欲しいものをリース会社が代わりに購入して、
全額回収という条件で、リース会社があなたにあなたの欲しいものを有料で貸し出します。

クレジットの分割払いのような感覚ですね。
ただし、クレジット決済でものを購入する場合と異なるのは、
あくまで賃貸借契約を結んで借りている、という点と、
借りたものの所有権はリース会社にあるという点です。

あなたが欲しいものの購入金額を結果的にはあなたがすべて負担するのですが、
それでも購入したものの所有権はリース会社にあります。

そのため、リース契約が終了した後、つまり購入金額をすべて支払い終わった後も、
そのものの所有権はリース会社にあり、
リース契約終了後にもそのものを使い続けるためには、
少額ではありますが、リース料を支払い続ける(再リース)必要がある場合が多いです。

そしてリース契約終了後、それ以上そのものを使わない場合は、
別途処分費を支払わなければならないケースもあります。

何より特質すべき点は、途中解約ができないということです。

都合により5年以上を予定していたお店を3年で閉めたとします。
その時点でリース契約が残っていたとしても、解約ができないため、
契約期間中はずっとものを手元に置き、お金を払い続ける必要があります。

契約内容によっては借りたものを引き取ってくれる場合もありますが、
その場合もリース料の総額を支払う義務は残ります。


では、レンタルの根本的な仕組みはというと、
レンタルは、レンタル会社が所有しているもののなかから選んで、それを有料で借ります。

レンタル会社のものを借りるので、もちろん所有権はレンタル会社に属します。
ただし、リースと異なり、そのものの購入金額を全額回収する契約は基本的には結びませんので、
短期的な賃貸借契約の締結や、途中解約が可能です。

さらには、一度借りたものを古くなってきたという理由で返却し、
新たに新しいものを借りなおすということもできます。


厨房機器を揃えるには、購入かリースかレンタルか


前章まででリースとレンタルのおおよその仕組みが理解できたのではないかと思います。
そこで、厨房機器を揃えるならどの方法を選ぶべきかという問題に戻ります。

はっきり言ってしまえば、好みの問題です。
長期的な経営を高い確率で見込んでいて、最終的には結構な額の出費になるけれど、
使いたい調理器具が決まっていて、初期費用を抑えたいならリース。

どのくらい経営を続けられるかわからないし、調理器具にこだわりもなく、
とりあえず初期費用を抑えたいのであれば、レンタル。

リースとかレンタルの仕組みが気に入らなくて、
ネットで買えばいくらかは購入費用も抑えられるし、
ちょっとくらいは準備資金を頑張れるのであれば、購入。

そんな感じでしょうか。


厨房機器を購入してしまうと、会計上10万円以上のものは資産になってしまいますが、
10万円~20万円未満のものは一括償却資産として均等償却することができます。

わたしの場合は、それほど大掛かりなものを必要としていなかったことと、
メンテナンスがあるとはいえ故障したら結局修理費用が必要になること、
ネットで購入したら思った以上に安く手に入りそうだったこと、などを合わせて、
最終的に購入するという選択肢になりました。

実際に故障等がどのくらいの頻度で起こるのか、どのくらいの修理費が必要となるのかは、
故障するまで使ってみないとわからないので、しばらく様子を見つつ、
改めて記事にできたらと思います。

参考になりますように。

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